『スマホ時代だから”○○”しよう』第3弾です。
幼い娘ともっとコミュニケーションとりたい!もっと一緒に何かをしたい!という願望をお持ちの全国数千万のお父様にお届けします。
子供の情操教育を兼ねた父娘コミュニケーション「自家製ラーメンをつくる」です。
自家製ラーメンといっても生麺を買ってきて、スープの素から汁をつくる程度ではなく、麺を粉から打ち、鶏ガラを煮出してスープをつくるというプロ顔負けの本格ラーメンです。
そして、そのラーメンを一緒に作るため、娘とのコミュニケーションツールとして用意したアイテムがこちら
昭和設計のあまりにも重厚で無骨な手動製麺機。平成生まれのちびっ子達には強烈なインパクトを与えること間違いなしです。
骨格の深緑のメインカラーがミリタリー感を否応なく醸し出しています。高温で溶解した鉄を型に流し込んでつくられる重量約7kgの鋳物アート。黄金色に輝く真鍮製の切刃が職人魂をくすぐります。まさに料理のプロフェッショナルが使う道具にふさわしい逸品。
この昭和レトロの象徴のような製麺機、製造中止になって久しく、現在ではレプリカモデルが新品で6~7万円で販売されているようですが、本物はオークションなどでしか手に入りません。本物は刃の切れ味が違うのだとか。
というよりむしろ、プロが商売で使う機械を料理のシロートが気軽にネットオークションにアクセスして購入できるという事自体、スマホ時代ならではといえるのではないでしょうか。
昭和レトロの機械に子供は夢中
この小野式製麺機といわれる手動式製麺機は、ヤフオク!で手に入れました。価格は送料込みで約9,000円。落札した翌々日には我が家にやってきたのですが、到着した大きな段ボール箱を空けてみたウチの娘(3歳児)は狂喜乱舞。
これなぁに? ねー、これ何?
私:これでラーメンつくるで
娘:えー!くぁwせdrftgyふじこlp
もう何言ってるか分かりませんが、テンションMAXのようです。
すぐにでもラーメンを作りたかったのですが、古い機械ですので洗浄や油差しなどのメンテも必要だし、麺を打つための小麦粉などの材料も手配しなければなりません。
こね鉢や鶏ガラ、小麦粉など |
特に麺は、小麦粉に卵や食塩とかん水を混ぜるのですが、はじめての場合はちょっと面倒なので水と混ぜるだけでOKのラーメンミックス粉で麺を打つのをおすすめします。
麺打ちに初挑戦
スープの仕込みを先にやった方が効率的なのですが、まずは麺の作り方を紹介。最初は水回しです。ボウルに入れた小麦粉に卵、食塩、かん水を水で溶いたモノを少しずつ流し込みながら箸でかき混ぜていくとダマになります。※ラーメンミックス粉だと、水を入れるだけで麺が作れます。
ダマになったら、こね鉢に移して麺を練っていきます。この作業がすごく力を要し重労働なのですが、ここで製麺機の出番です。
製麺機の上部にあるアルミのフレーム枠の中にダマを適量いれてハンドルを回します。すると写真中央にある真鍮製の2つのローラーが回り、小麦粉のダマを潰して延ばしてくれます。手延べならぬローラー延べという表現が妥当かどうかは分かりませんが、ダマを手でこねていくよりも遥かに楽です。
幾度か延ばしていくとダマがキレイな板状の麺帯になるので、それを丸めてラップして冷蔵庫で1時間ほど休ませます。
いよいよ麺切り&調理
冷蔵庫で休ませていたロール状にした麺帯を今度は製麺機の切刃にセットしてカットしていきます。さけるチーズのようにキレイに麺が形成されていきます。
とりあえず試作の素ラーメンが出来上がりました。麺のあんばいを確かめるため、あっさり鶏ガラスープで試食してみましたが、これは凄い!角がピーンと立って強いコシなのに、モチモチのチュルチュルでとにかく食感がいいです。
筆者の記憶が確かならば、沖縄の竹富島にある八重山そばを提供している「たけのこ」で食べた麺にかなり似ていました。
【簡単な鶏ガラ清湯スープをつくる】
ここで、スープの作り方を簡単に紹介します。寸胴鍋に常温の水を浸しその中に昆布と乾燥椎茸をいれて1時間ほど放置。その後火をつけ、温度が上がってきたら昆布と乾燥椎茸を取りだし、鶏ガラとタマネギ、生姜、ネギ、にんにく、煮干しを入れて沸騰させずに*出汁を取っていきます。*灰汁取りは適切なタイミングで
ポイントは、鶏ガラをあらかじめボイルしてブツ切りにしておくと出汁が早く取れます。たぶん通常なら5~6時間ほど必要ですが、2時間くらいで大丈夫かと。
その後、コクを出すために鶏の挽き肉を適量いれて、1時間ほどで完成です。お好みで手羽先や手羽元などを使うのもアリです。
ラーメンのスープを家庭でつくるのは、かなり大変かな?と思っていましたが、カレーやシチューをつくるの手間と同じ程度です。何事も経験ですね。
自家製の無化調鶏ガラスープ |
そして、醤油、干し貝柱やラードで味付けしたラーメンスープに自家製チャーシューとネギに白ゴマをトッピングしたシンプルなラーメンが完成しました。
小野製麺機でつくった自家製ラーメン |
打ち立ての麺、1日冷蔵庫で寝かした麺、3日冷蔵庫で寝かした麺の3種類を試作。一番好みだったのが、1日寝かした麺。打ち立ての麺は、少しボソボソした食感でパサつきがありましたので、少し熟成させるのがよいかもしれません。
肝心の味についてですが、麺は本当においしいです。それなりの設備と手間をかけるに値することは保証できますし、玄人跣のレベルです。スープも無化調&塩分控えめのやさしい味付けにしたので、ラーメンのジャンクフード的な印象はゼロ。家庭ならではの一品となりました。
製麺機は子供とのコミュニケーションツール
今回は、家庭でプロ級のラーメンを簡単につくる方法を紹介しましたが、メインは父と娘とのリレーションシップを深めること。
見慣れない無骨な機械(製麺機)が目の前に現れた驚き。小麦粉を慣れない手つきでこねて、製麺機を回し大好きなラーメンを自分の手でつくったことは、子供にとって貴重な体験であったと思います。そして、それぞれの過程で、娘が戸惑ったときにすばやく的確なサポートしてあげると「お父さん すごーい!」の連発。これでいつかは来るであろう反抗期を幾分か短縮できたでしょう。
お粗末さまでした。
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