ガウディ計画編、第2話。いきなり窮地に立つ展開でハラハラしていたら、あっというまに次週予告時間に。その予告に登場する財前部長の意味深な台詞が頭から離れず、結局今回の話はどういう内容だったのか?という重要なことを見失ってしまった次第です。
とりあえず、見逃したも同然なのでTVerで、最初からちゃんと見直してみようと思います。
魂(神)は細部に宿るのケーススタディか?
第7話は、佃公平の娘・利菜(土屋太鳳)の彼氏「マサヒコくん」の話が布石だったとは、最後までわかりませんでした。話の流れ上、このネタをそれなりに引っ張るのはなんでかな?と思っていたのですが、佃社長のこのセリフで、ようやく合点がいった次第です。
「開発者にとって製品は子供と同じなんです」
「その子を託す信頼できる相手は、自分たちの手で見つけて見せますよ」
医療機器の認可を事実上判断する団体「PMEA」の事前面談での担当者の悪意ある振る舞いに対して佃社長が発した台詞。その時、家族の中で自分以外は、皆会ったことのある娘の彼氏「マサヒコくん」へのなんとも言えない思いがリンクした迷セリフだったと思います。
そして、ホントに名セリフと感じたのはこれ
「おもしろいからやってごらん」
「小さな部品を組み合わせて大きなモノをつくるのは、ものづくりの基本なんだよ」
心臓に何らかの問題を抱えている子供達を見舞った際、子供達への土産にお城のプラモデルを持参した佃社長。はたして、子供からの評価は低く、同行の従業員からも後ろ指差されるシーンで、佃が文句を言った子供に対して発したセリフ。
ああ、そうか。城なら蟻の一穴、ロケットならバルブというように、小さな存在ひとつの問題でも巨大なモノが崩壊してしまう。だから小さな部品一つでもものづくりは、おもしろいのだ。まさに「魂は細部に宿る」の事例を見せつけられたようなシーンでした。
巷で注目のミニマリストに疑問
「神は細部に宿る(God is in the details)」は、ミース・ファン・デル・ローエという建築家の言葉です。彼の建築のスタイルは、全体はシンプルなのに細部のディテールは凝っているというもの。これは、本当に美しいモノは、全体で見るとシンプルだが、それを構成している細かなモノは、深い計算といくつもの試行錯誤による組合せで生まれる。だから神は細部に宿るといったというのが定説です。
スマートデバイスの先駆的存在であるiPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズも周知の通りデザインに恐ろしいほどのこだわりを持ち、細部の細部に至るまで魂を宿したからこそ、すばらしいユーザーインタフェースとデザインを有した他に類のないデバイスをクリエイトできたのだと思います。
シンプルと言えば、必要のないものを捨てて楽しめる時間や空間、心の余裕など大事にするミニマリスト(最小現主義者)という得体の知れない存在が注目されているようです。
細かい定義がわからないので断言できませんが、主に若い世代の人には不要なスタイルではないかと思ったりします。多くの経験や成果を残してきた達成者が悟った結果であれば、レスイズモア(Less is more)にも説得力がありますが、まだこれから多くの経験を積み、たくさんの価値を生み出していく必要のある世代が、モノを捨て心を豊かにって、多分、本質ではないと思います。
「スマホがあればいろんな情報は手に入るし電子書籍で本も読める、TVも見れる、これ1台あれば、他のモノはいらないと思う。」
スマホ(道具)が人生を楽しませてくれて心を豊かにしてくれるとか本気で言ってるならちょっと心配ですね。
スマホでアクセス出来る膨大なコンテンツは一体誰がクリエイトしているのでしょうか?
白鳥は優雅に泳いでいるようで、水中で必死に水かきをしている。シンプルで美しいモノを生み出すには、膨大な試行錯誤のトライ&エラーがある。身の回りに最小限のモノしか置かず、どうやって新しい価値をクリエイトしていけるのか?巷ではやりのミニマリストの本質的な価値って何なんですかね?