ペーパーレス化で残業時間が削減できるというのは、本当でしょうか?
ビジネスシーンにおいてiPadやiPhoneを代表とするスマートデバイス活用での基本効果は、過去の記事でも紹介した「デジタル化」と「すきま時間の有効活用」の2点に帰着します。
【ドキュメントのデジタル化】
【すきま時間の有効活用】
【スマートデバイス活用の定義】
デジタル化×すきま時間=コストダウン・効率化=新しい働き方
この定義により、さまざまなビジネス改革が実現可能になります。
今回は、ペーパーレス化にちょっとしたソリューションを加えることで残業時間の削減に成功したソフトバンクの例を紹介します。
記事の詳細は省略しますが、iPadを導入してペーパーレス化等を推進した結果をまとめると
・紙代・印刷代が約1万円削減(1カ月/社員一人あたり)
・残業時間が32分/日短縮でき、約3万3千円削減(1カ月/社員一人あたり)
・社外や移動中に業務可能になり、営業の訪問件数が半年で3倍に増加
・プレゼンに動画やアニメーションを盛り込むことで、差別化が図れている
凄い成果だと思います。しかし、この成功は、単にiPadを導入しただけでは為し得なかったでしょう。この成功の裏には何があったのか、当サイトなりに推論してみました。
ペーパーレス化前から有効な文書管理が行われていた
孫 正義さんの側近であった三木雄信氏の著書「世界のトップを10秒で納得させる資料の法則」によるとソフトバンクでは、書類はトヨタ流文書同様に基本A4:1枚にまとめるというルールがあり、内容に至ってはあいまいな記述はNGで、秒単位のスケジュールに追われている孫さんに渡しても瞬時に経営判断ができるように10秒で伝えられるクオリティが求められていたとのこと。
なるほど、紙で情報共有する時代から、ドキュメントの有効活用が企業文化として根付いていたためスムーズなペーパーレス化が実現できて、予想を超える成果が出たというのがわかります。
コスト削減:3つのアプローチを解説
さて今回は、ペーパーレス化、トヨタ流文書、10秒伝達といったソリューションが一般的にどのようなビジネス効果があるか説明していきます。
紙の文書をデジタル化すれば単純に紙代・印刷(コピー)代が削減できます。それに加えて、ユビキタスコンピューティングが可能となり情報共有が加速します(文書管理システムやネットワーク等の整備は必要)
また、スマートデバイスを使った外出先での情報閲覧が可能となるので、移動時間や待ち時間などのすきま時間を有効に活用することができます。
社内文書をA4:1枚にまとめるようにすると、会社で作成する文書の総量が削減できます。文書が短く簡潔にまとまっているので、文書を閲覧する側の閲覧時間の短縮や無駄な会議の開催を減らすことができます。さらにITシステム上では、ファイルサーバのストレージ容量やネットワークトラフィックの軽減にも効果があります。
主旨を簡潔に伝えるスキルは、社員の文書作成能力を上達させるだけでなく、コミュニケーション能力も向上させます。作成能力の向上は、より短時間で文書を作成できるようになるので、非生産業務の削減につながります。またコミュニケーション能力の向上は、企業の営業力の底上げ、会議の効率化、社内SNSの活性化など、多くの業務改革を成功に導くことができます。
時間の有効活用で残業時間削減
いかがでしたでしょうか?ソフトバンクのような秀逸なペーパーレス化は、トヨタ流文書と10秒伝達というソリューションと組み合わせることで、時間を有効活用できるようになり、最終的には業績向上や労働時間の短縮まで視野に入れることができるということが伝えられたと思います。
労働時間の短縮は残業時間の削減にもつながり、内閣府が推進しているワークライフバランスの実現にも寄与できるのではないでしょうか。
参考までに、当サイトでも今回の記事をA4:1枚にまとめて、10秒で主旨が伝わるような内容?にした文書を作成してみました。
やってみた結果、時間をかけて長々と記事を書いたことがとてもむなしくなるくらいキレイにまとまってしまいました。作成時間の単純比較は難しいですが、最初にA4:1枚にまとめてから記事を書いた方がもしかしたらわかりやすい内容になったかもしれません。
当サイトでは、ペーパーレス化に伴う業務改革に対応したシステム設計やネットワークの構築、運用管理の代行サービスを提供しています。ご興味のある企業様はお気軽にお問い合わせください。
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