走行中のCO2排出ゼロ、ガソリンをまったく使わない100%電気で動くクルマ「日産リーフ」の中古車を購入しました。
EV(Electric Vehicle)の魅力は、排気ガスがでないとか、燃費が良いとかいろいろとありますが、実際に購入して非常に興味深かったのは、スマートフォンとの連携でした。
日産リーフに乗って、はじめてIoTを実感!そのレポートをお届けします。
日産リーフの1kmあたりの走行コストは約2円
電気自動車の最大のコストメリットは、なんといっても「燃費(電費)」です。日産のCARWINGSというサービスに加入すれば実際の走行距離と消費した電力の集計情報がメールで送られてきます。
日産リーフの電費例 |
走行状態によって多少の差異は発生しますが、9月初旬は、456円÷272.5km=1.67円/kmでした。また、参考情報として、筆者が所有していたガソリン車との比較もご覧下さい。※計測時のリーフのバッテリーは10セグです(新車で12セグ)
ガソリン車とEV車との各種比較 |
日産リーフは車格としてはリッターカーやワンボックスカーのカテゴリになると思います。競合車としては、トヨタプリウス、日産ノート、ホンダフィット等になるでしょう。
しかしながら、乗り心地や加速感については、私見になりますが2500ccセダンクラスと同等です。特に加速に関しては、ガソリン車と違って最初からMAXパワーを動力に伝えることができるのでヘタなスポーツカーよりも優れています。
日産リーフは、1回の充電で走行できる距離がガソリン車と比べて短いというデメリットを除けば、多くのメリットがあるといえるクルマといえます。
EV車とスマホでカーライフが変わる
走行コストでは圧倒的なメリットのある日産リーフですが、それ以外の特筆すべき特長はIoT(Internet of Things)による運転状況の可視化が行えるという点にあります。
モノのインターネット(Internet of Things、IoT)は、一意に識別可能な「もの」がインターネット/クラウドに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。「 Internet of Everything」や「Smart Everything」、「サービスのモノ化」ともいう。Wikipediaより
専用アプリをスマホにインストールすると、リアルタイムでクルマの各種情報を確認する事が出来ます。
リーフには、標準で3G回線ユニットが搭載されています。クルマの各種情報を管理している日産カーウイングスデータセンターを通じて、バッテリー残量、充電完了までの時間、航続可能距離等を確認することができます。
もっとも便利なのは、「乗る前エアコン」という機能。クルマから離れていてもエアコンの起動をリモートで操作できるのです。当然ながら電気自動車ですのでエアコン稼働中のアイドリングでの排気ガスも発生しません。
次に「ルート探索」です。リーフは、走行距離がガソリン車と比べて短い*ため移動途中での充電が必要になります。アプリでルート検索すると目的地までにどの程度バッテリーが消耗するか、どこで充電すればよいかという情報が手に入ります。*2015年9月時点
このルート探索は、かなり正確な情報を提供してくれます。リーフの走行情報はすべて日産カーウイングスデータセンターに送られますので、道路状況によってバッテリーがどのくらい消費されるかといったビックデータが集積されます。
そして、センターに蓄積されたより精度の高い情報をリーフユーザーにフィードバックし、短い航続距離のリスクを低減させているのです。
また、事前にドライブ計画を立てなくても、バッテリー残量が心細くなってきた際には、標準装備のナビで最寄りの充電スポットまでのルート案内が即座に可能です。加えて充電スポットの空き状況も取得できるので、充電待ちといった無駄な時間を極力回避出来るように工夫されています。
このような日産リーフの通信サービスは、日立製作所の「日立テレマティクスデータ加工配信サービス」によって実現されています。
ユーザーの運転状況も可視化
日産リーフは、ドライバーの運転状況も細かく記録しています。アクセルやブレーキの踏み方、車内アクセサリの使用状況など、このデータを見ればユーザーが、安全運転にどの程度留意しているか把握することもできます。
実際に損保ジャパンは、日産リーフの保険料をこのような情報からユーザー個別に算出して提供しています。
日産リーフは、車体に通信ユニットを搭載してスマートフォンと連携し、クラウド経由でユーザーから多くの情報を収集しビックデータ化、それらを再びユーザーにフィードバックして、より安全で快適なカーライフを送るためのサポートを充実させています。
このような自動車の進化を目の前にすると、クルマの自動運転もそう遠くない将来に実現するような気がしてきます。
スマートデバイスとクルマの連携で、あたらしいクルマとのつきあい方が誕生し、普及しようとしています。
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